Kebv Company

私の日記も兼ねつつ、何かしら有益な情報が書ければ

【ニートが救った】カラオケ行ったら泣いて感謝された話【号泣】

どうも、ニートのkebvです。
それは、まだ桜が咲いていたころだったと思います。
私は普段カラオケには行かないのですが、その日は大学院の同期の集まりがありまして、二次会でカラオケに行くことになりました。
その時のエピソードを書こうと思います。

深夜のカラオケは不思議がいっぱい!

その日は二次会に残ったメンバーは、北海道やら埼玉やら四国やら・・・と皆帰宅できない距離の猛者が集まっていました。当然、カラオケでオールしようという流れになり、適当に営業しているお店へ。
そこには、個性豊かな客層がいました。パーティーピーポーなチャラ男、人の部屋を順番に確認して回ってる不審なサラリーマン、下ネタを話し続ける同期、それを横目にドリンクバーとアイスバーに目を輝かせ持ち込みのポテチを貪る私。深夜のカラオケは不思議がいっぱいです!
一つ共通している点は、誰も歌わないということ。深夜にカラオケに来る人は、歌ってる場合じゃないんでしょうね!

歌の無いカラオケ店の夜も深くなり、談笑も一区切りついた頃。kebvはタバコが吸いたくなってしまいました。幸い喫煙ルームが併設されていたので、タバコは吸えるのですが、喫煙者は私一人だったので、孤独に一服することになりました。事件はそこで起きました。

喫煙ルームにて

そこのカラオケ店の喫煙ルームの扉のガラスは何故か薄暗い色のマジックミラーの構造で、外からでは中の様子が見えないようになっていました。早くタバコが吸いたい気持ちが相まって、私はいくらか勢いをつけて扉を開けてしまいました。
ドゴッ!
柔らかい感触と共に、鈍い音が・・・
入口に二人の青年がいたようで、どうやらその青年たちをドアでぶっ飛ばしてしまったようです。悪いことをしたなと思い、謝ろうと思ったのですが、何故かその二人が口論を始めてしまいました。
青年A「ふぜけんなよ」
青年B「何がだよ!」
お互いに胸ぐらを掴んで、揉めに揉めています。完全に謝るタイミングを無くしました。

ヒートアップする喧嘩

部屋に入った時はわからなかったのですが、どうやら青年二人は私が入室する前から揉めていたようで、特に青年Aの方は酔っ払っていて会話が微妙に通じないし殴りかかりそうだし、大変な状況だったようです。
青年Bは、Aのことを何とか説得して抑えようとしているようでしたが、まさに一触即発。いつ殴りあいに発展してもおかしくない状況でした。そんな二人を、ドアで殴ってしまったとは・・・何と恐ろしい一撃だっただろうか・・・・
一人でタバコを吸うには心細いかったです。

喧嘩は一向に解決に向かう様子がありません。
青年A「ふざけんなよ」
青年B「だから、何がだよ!」
話が平行線というか、噛み合ってすらないように見えました。
私はというと、タバコをやっと吸えた喜びに浸りつつも、「ドアがぶつかったこと謝りたいな・・・」とタイミングを伺いながら、喧嘩に怯えていました。具体的には。その喧嘩を真っ直ぐな眼差しで見つめ、仁王立ちで君臨していたのです。。
御二方とも、根はいい人のようで、時折視線を向けて、突如として君臨した”金髪ロン毛ヒゲデブ”の私に会釈をしているようでした。私は、「ケンカ怖いなー」と怯えていたので、喧嘩を止めるどころか、会釈を返すこともなく、ただ座った目でタバコの煙をゆっくりと吐き出しておりました。

青年A「テメェ、マジでやるぞ!」
青年B「暴力はやめろよ!嫁がいんだろ」
青年A(所帯持ち)が今にも殴りかかりそうでした。青年Bが必死に取り押さえます。ついに、殴り合いが始まってしまうと思った私は、二人の間にあった灰皿を、ソソソっと退かしました。灰皿が倒れたら大変ですからね。すると

青年二人『あ、すいません』
青年A「テメェ!」
青年B「いい加減にしろよ!」
何と、礼節を弁えた青年達であろうか。あまりの感動に、私は二本目のマルボロに火をつけ、腕組み仁王立ちスタイルのまま、二人の間を見守り続けたのです。

新キャラ登場!

二人の口論は続きます。
青年A「お前、マジでやったるぞ!」
そう言って、青年Aはタバコの空箱を投げつけようとしますが、何故か袖の中に入り込んでしまって、上手く投げられません。青年Aの手が可愛くブンブンと振り回されますが、タバコの空箱は青年Aのパーカーの中に取り込まれていきます。青年Aの勢いと反比例する空箱・・・・
私は、思わず青年Bに視線を送ると、青年Bも同じような絶妙な気持ちでいるようでした。

そんな破茶滅茶が継続されていますと、陽気な青年Cが喫煙所に入ってきます。私は、青年達の仲間だと思い、ついに解決すると安堵しました。
青年C「何すか?この二人、友達っすか?」

・・・・・・・・・・・終わった。
全く関係のない陽キャがタバコを吸いに来ただけだ。私はスマートに「違います」とだけ伝えて、喧嘩を見届けました。
すると、陽キャがにじり寄ってきます。最初は、灰皿が遠いのかな?と思い半歩避けたりしてたのですが、ジリジリと距離を詰められ、ついに肩が接触する距離になってしまいました。あまりの出来事に、悲鳴を上げようかとも思った矢先です。
青年C「俺、明日から滋賀で修行なんです・・・・」
知らんわ!!!!!
急にそんなこと言われても、こっちは喧嘩を腕組みしながら見るので、忙しいんだわ!

青年A「マジで殴るぞ!テメェ、調子乗んなよ」
青年C「ホント、修行何すよ」
青年B「いい加減にしろよ!」
青年C「スマホとかも、利用制限されるみたいで」
青年A「ウルセェな!なんで、俺だけにやってくんだよ!」
青年C「休日とかも、めっちゃ少ないんすよ」
青年B「俺は、ちゃんとやってるよ!お前こそ、家族のこととか考えろよ!」
私「あ、えっと、それ、ヤバいっすね」

もうめちゃくちゃだ・・・
くんずほぐれつ、話が錯綜します。
喫煙ルームの様相は、混沌を極めました。喧嘩する二人、それを見守るKebv、そんな私に話し続ける陽キャ・・・4人が各々の意志で動き続けます。
そして、陽キャの青年Cは何の修行をするのか?なぜ話している間、私と肩をくっ付け続けているのか?もはや私は口説かれているのか?そして、青年AとBは実は年上なのではないか?
疑問は解消する間もなく、永劫に湧き起こり続けます。

終焉・・・

始まりがあるものには、終わりがある。これは世の中の常です。
正直、後半のことはもう詳しく覚えていませんが、喧嘩はひと段落して、自分達の部屋に戻っていったようです。
私は青年Cの明日からの未来を共に憂うことに、専念しておりました。

青年C「正直、キツくないっすか?」
私「いやー、それは厳し過ぎますよねー」
青年C「ヤバいっすよね!」
私「いやー、ヤバいっすよー」

私kebvの巧みな話術により、青年Cも滋賀に行くことを決心したようであった。頑張れ、青年C!お前の明るさなら、上手くやっていける!
そう思いながら、彼の背中を見送りました。

喫煙ルームには、本来の静寂とタダの金髪ロン毛ヒゲ・眉毛全剃りデブが取り残されていました。例え、熾烈な事物であっても、終わりとは寂しさを伴うものなのだと知りました。
私は、もう5本目のマルボロを吸い終わろうとしている頃、ふと灰皿に目をやると、アイコスが置いてありました。
きっと、青年Aがタバコの空箱を吸収していった分、アイコスを排出したのでしょう。私は、届けることにしました。

アイコスを届けて・・・

アイコスを持って、意気揚々と喫煙所を出たところで気が付きます。彼らの部屋を知らない。しかし、そんなことは杞憂に終わります。
一部屋だけ、ドア全開にして、若者達の声が漏れている場所があります。確信を持って覗き込むと、やはり先ほどの青年AとB・・・・それとDとEとF。
そんなに人がいたなら、お前ら助けてやれよwww

私は未だ熱り冷め切らぬ青年Aにアイコスを渡す。
私「どうぞ、アイコスです」
青年A「俺のじゃねぇよ」
私「(いや、空箱を吸収したんだからAのだろ)はい、アイコスです」
青年B「これ、自分のです」
私「いやいや、だからAが吸収してたじゃん)はい、アイコスです」
青年A「だから、俺のじゃねぇよ」

中々、受け取ってもらえなかったが、青年Bが代理で預かってくれた。
私はアイコスだけ渡し終えたので、そそくさと撤退しようと思ったのですが、

青年B「ちょっといいですか?」

ヤバい、ドアでド突いたことを忘れていた!これは血の気が増した青年Bによって、粛清される!慌てるな、kebv。話せばわかるはずだ!
部屋の外に連れていかれる私。脳内ではドナドナが流れ始める。

私「えっと、あのー、すいまs・・・・」
青年B「ほんと、辛くて!」

あれ?なんか思ってた展開と違うぞ。青年Bは、目を潤ませながら、気持ちを一気に吐き出していく。

青年B「なんかよくわかんないけど、揉め事になっちゃって。自分が最後まとめる感じになって。でも、こんな感じの争いはいやで。本当に辛くって・・・」

止まらない青年Bの、悲痛な心の声・・・

私「辛い部分を押し付けられてしまった・・・一人で頑張ってきたんですね」

青年B、大号泣である。
青年Bは涙を拭いながら、一生懸命に気持ちを話す。見ず知らずの他人にしか言えないこともあるのだろう。私は穏やかに話を聞いていく。

青年B「でも、あなたがいてくれて助かりました。ありがとうございます!」

青年Bは涙で濡れた手で握手をしてきた。
びっしょりと涙が私の手の平にも移る。正直、気持ち悪かったが、なぜか悪い気はしない。
仁王立ちをして人に感謝されたことは初めてだ。
何が人の助けになるかなんて、意外とわからないものだ。
人生の織りとは予測が付かず、情は素直には伝わらない。計算できるものではないが、ふとした時に通じるものである。それが、また奥深い。
人と人との繋がりとは、数奇であり残酷で、美しくも難解で、
とにかく難しいものだ。

少し青年Bとは絆ができた気もした。
私「タバコ。吸いにいきますか?」
青年B「いえ!結構です!」

人との繋がりは、とにかく難しいものだ。
深夜のカラオケの不思議は、未だ理解できそうにない。

#誰かの役に立てたこと